まぶたのピクピク・痙攣、これって大丈夫?原因と対策を医師が解説

目次

まぶたが自分の意思とは関係なくピクピクと動く痙攣は、多くがストレスや疲労による一時的な「眼瞼ミオキミア」であり、心配のいらない症状です。

しかし、まれに「眼瞼痙攣」や「片側顔面痙攣」といった、専門的な治療が必要な病気のサインである可能性もあります。症状を正しく理解し、適切に対処することが大切です。

この記事でわかること

・まぶたが痙攣する主な原因

・自分でできる症状の和らげ方

・危険な痙攣と心配ない痙攣の見分け方

・病院を受診するべき症状の目安

それでは、ご自身の症状を正しく理解するために、まずは痙攣のタイプから詳しく見ていきましょう。

その症状、まずは確認しましょう。まぶたの痙攣の3タイプ

この章のまとめ!

まぶたの痙攣には主に3つのタイプがあります。ほとんどは心配いらない「眼瞼ミオキミア」ですが、症状によっては注意が必要な「眼瞼痙攣」「片側顔面痙攣」の可能性も考えられます。

ご自身の症状がどれに近いかを知ることで、適切な対処法が見えてきます。以下の表で、それぞれの特徴を確認してみましょう。

症状タイプ 特徴 痙攣の範囲 目の開けやすさ
眼瞼ミオキミア 一時的、疲れやストレスで発生 まぶたの一部(主に片側の下まぶた) 正常に開けられる
眼瞼痙攣 進行性、両目に多い 目の周りの筋肉全体 開けにくい、まぶしい
片側顔面痙攣 進行性、顔の片側 片方の目の周りから頬、口元へ広がる 正常だが、顔がひきつる

ご自身の症状がどのタイプに近いか、おおよその見当がついたでしょうか。次の章からは、これらの痙攣がなぜ起こるのか、その原因をさらに詳しく解説していきます。

まぶたが痙攣する主な原因は?

この章のまとめ!

まぶたがピクピクする原因は、生活習慣の乱れと病気の2つに大別されます。ほとんどは心身の疲れが原因ですが、背後に病気が隠れているサインを見逃さないようにしましょう。

ここでは、痙攣を引き起こす具体的な原因を掘り下げていきます。ご自身の生活や体調と照らし合わせながら読み進めてみてください。

ほとんどは一過性|生活習慣に潜む5つの誘因

多くの痙攣は生活習慣の乱れが原因で起こります。特にストレス、睡眠不足、目の酷使、カフェインの過剰摂取、ドライアイの5つが主な誘因として挙げられます。

これらは神経を過敏にさせ、筋肉の意図しない収縮を引き起こすと考えられています。まずはご自身の生活を振り返ってみることが、改善への第一歩です。

注意したい病気のサイン

まれに、まぶたの痙攣が病気の初期症状として現れることがあります。代表的なものに、目の開閉が困難になる「眼瞼痙攣」や、顔の片側の筋肉が痙攣する「片側顔面痙攣」が挙げられます。

これらは脳の神経が血管に圧迫されることなどで起こり、自然治癒は期待しにくいため、専門的な診断と治療が求められます。

今日からできる!まぶたの痙攣を和らげるセルフケア

この章のまとめ!

まぶたの痙攣を和らげるには、血行を促進して筋肉の緊張をほぐし、原因となる生活習慣を改善することが有効です。日々の少しの工夫で、症状の発生を抑えることが期待できます。

痙攣が気になり始めたら、まずはご自身でできるケアを試してみましょう。今日からすぐに実践できる具体的な方法をご紹介します。

目の周りの血行を促進する

目の周りの血行不良は、筋肉の緊張や疲労を招き、痙攣の一因となります。蒸しタオルやホットアイマスクで目元を温めることは、手軽で効果的なケアです。血行が良くなることで筋肉がリラックスし、神経の興奮が和らぎます。

ただし、強いマッサージは逆効果になることもあるため、優しく温めることを中心に行いましょう。

生活習慣を見直す

痙攣の誘因となる生活習慣を見直すことが、根本的な改善につながります。質の良い睡眠を十分に取り、心身を休ませましょう。また、神経を興奮させるカフェインやアルコールの摂取は控えめにすることが賢明です。神経の働きを助けるビタミンB群や、筋肉の働きを調整するマグネシウムを食事から摂ることも意識してみてください。

意識的に目を休ませる

パソコンやスマートフォンを長時間利用する際には、意識的に目を休ませることが重要です。厚生労働省のガイドラインでも、1時間の作業ごとに15分程度の休憩が推奨されています。

作業の合間には遠くの景色を眺めたり、意識的にまばたきの回数を増やしたりして、目の緊張を和らげ、乾燥を防ぎましょう。

デスクで1分!目の疲れを取る簡単ストレッチ

仕事の合間にできる簡単なストレッチも、目の疲労回復に役立ちます。まず、目をぎゅっと強く閉じて5秒キープし、その後パッと大きく開きます。

次に、眼球だけを上下左右にゆっくりと動かしましょう。最後に人差し指を目から30cmほど離し、指先にピントを合わせながらゆっくりと鼻に近づける運動も効果的です。

☝️簗先生から一言アドバイス!

「目を温める際は、やけどに注意し、40度程度の心地よい温度で10分ほどリラックスして行うのがおすすめです。アロマなどを併用すると、ストレス解消効果も期待できますよ。」

こんな症状は眼科へ。受診を考えるべきサインと診療の流れ

この章のまとめ!

痙攣が長引く、範囲が広がる、目の開けにくさやまぶしさを伴うといった症状は、医療機関への相談を考えるサインです。気になる症状があれば、まずは眼科を受診しましょう。

セルフケアを試しても改善しない、あるいは特定の症状が見られるときには、専門家による診断が必要です。受診の目安と流れを解説します。

受診をおすすめする症状チェックリスト

セルフケアで様子を見ても良いか、病院へ行くべきか迷うときは、以下の項目をチェックしてみてください。一つでも当てはまるものがあれば、一度眼科で相談することをおすすめします。

症状の背景に、治療が必要な病気が隠れている可能性があります。

□ 2週間以上、痙攣がほとんど毎日続く

□ 痙攣がまぶただけでなく、頬や口元にも広がる

□ 痙攣の範囲が広がったり、強くなったりしている

□ 目が開きにくく、しょぼしょぼする、光がまぶしい

□ 物が見えにくい、顔の片側がひきつるなど、他の症状がある

何科を受診すればいい?

まぶたの痙攣で最初に受診するのは「眼科」が適切です。眼科では、目の状態を詳しく検査し、痙攣の原因が目の疲れやドライアイなどによるものか、あるいは専門的な治療を要する病気なのかを診断します。

その診断の結果、脳神経外科や神経内科といった他の診療科での精密検査や治療が必要と判断されたときには、適切な医療機関を紹介してもらえます。

眼科で行われる検査と治療

眼科ではまず、症状の発生時期や頻度、生活習慣などについての詳しい問診が行われます。その後、視力検査や細隙灯顕微鏡検査などで、目の表面や内部に異常がないかを確認します。

眼瞼痙攣や片側顔面痙攣が疑われる際には、ボツリヌス毒素製剤の注射(ボトックス注射)による治療が検討されることがあります。より詳しい情報は、日本神経眼科学会のウェブサイトなどでも確認できます。

まぶたの痙攣に関するよくある質問

この章のまとめ!

多くの方が抱える疑問にQ&A形式で回答します。ご自身の悩みに近いものがあれば、ぜひ参考にしてください。

Q. 子供のまぶたの痙攣(まばたきが多い)で気をつけることは?

A. お子さんのまばたきが多い、顔をしかめるといった症状は「チック症」の一種かもしれません。チック症は本人の意思とは無関係に起こるもので、多くは成長過程で自然に軽快します。不安から本人を叱ったり、過度に注意したりすることは、症状を悪化させることもあるため避けましょう。ご心配なときは、小児科や眼科に相談してみてください。

Q. ストレスを溜めないようにと言われても難しいです。何かコツはありますか?

A. 現代社会でストレスを完全になくすことは困難です。大切なのは、ストレスを自覚し、上手に発散する方法を見つけることです。まずは深呼吸や軽いストレッチなど、短時間でできるリフレッシュ方法を試してみましょう。また、趣味に没頭する時間を作る、信頼できる人に話を聞いてもらうなど、自分に合った解消法をいくつか持っておくと心が楽になります。

Q. コンタクトレンズの使用は痙攣に関係ありますか?

A. コンタクトレンズの装用が、まぶたの痙攣の直接的な原因になることはまれです。しかし、レンズの汚れや長時間の使用によって目が乾燥したり、度の不一致で眼精疲労が起きたりすることはあります。こうした目の不快な状態が、結果として痙攣の引き金になることは考えられます。レンズを清潔に保ち、装用時間を守ることが大切です。

まとめ:まぶたの痙攣で悩むあなたへ。症状改善のための最終チェック

まぶたの痙攣は、体からの「少し休んで」というサインです。多くは生活を見直すことで改善しますが、長引くときには専門家の力を借りる勇気も必要です。この記事で解説したポイントを、最後にもう一度確認しましょう。

・痙攣のタイプを知る

ほとんどは心配ない「眼瞼ミオキミア」。ただし、両目に広がる、目が開けにくいといった症状は要注意。

・原因の多くは生活習慣

ストレス、寝不足、目の疲れが三大原因。カフェインの摂りすぎやドライアイも影響します。

・セルフケアを試す

目を温める、しっかり眠る、目を休ませることから始めましょう。

・病院受診の目安

2週間以上続く、痙攣が広がる・強くなる、他の症状がある、といった場合は眼科を受診してください。

簗 由一郎 先生
医師簗 由一郎

高知大学医学部を卒業後、東京大学形成外科教室にて研鑽を積む。
専門は形成外科領域全般に加え、眼瞼下垂、目の下のたるみ(クマ)、巻き爪・陥入爪、リンパ浮腫治療。現在は埼玉医科大学病院をはじめ、東京・埼玉・茨城の複数医療機関にて診療を行うかたわら、サイト運営を通じて専門的かつ信頼性の高い医療情報の発信にも尽力している。

巻き爪・陥入爪治療の相談室
まぶた・目の下のたるみのお悩み相談室

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