爪に白い部分が増えるのはなぜ?原因と治療法を解説

目次

爪の根元にある白い部分は「爪半月(そうはんげつ)」と呼ばれます。健康状態との関連が指摘されることもありますが、爪半月が見える・見えないことが病気と直接関係しているわけではありません。

ただし爪に白い部分が増えたり、形に変化が現れたりするのは、体からのサインかもしれません。

以下の表では、爪半月と、爪が白くなる代表的な症状を整理しました。

名称 説明
爪半月 爪の根元にある白い半月状の部分。健康状態との関連が指摘されるが、直接的な病気の指標ではない
爪甲剥離 爪が指から剥がれ、浮き上がる状態。感染症、外傷、皮膚疾患などが原因となることが多い
爪乾癬 乾癬(かんせん)が爪に影響し、変色、厚み、凹凸などの異常を引き起こす状態
スプーン爪 爪が中央からへこみ、スプーンのような形になる症状。鉄欠乏性貧血などが原因となることがある

本記事では「爪半月」の仕組みと、その変化から考えられる体調の変化について解説するとともに、実際に爪が白くなる原因となる病気やその治療法をわかりやすくまとめました。

爪の白い部分は爪半月と呼ぶ

爪の根元に見える白い部分は「爪半月(そうはんげつ)」と呼ばれ、健康状態と関連があると考える人も多いです。実際のところ、爪半月が見える・見えないことが病気と直接結びつくわけではありません。爪半月は爪母(そうぼ)という組織で作られる爪の一部で、甘皮の奥に隠れていることも多く、個人差が大きいのが特徴です。

また、年齢や生活習慣、甘皮処理の有無などによっても見え方が変わってきます。爪半月がないからといって健康を心配する必要は基本的にはありません。そしてその構造や仕組みが分かれば、爪の異常に気づけるかもしれません。

爪半月が広がる、なくなるのは病気?

爪半月が急に広がったり、すべての指で見えなくなったりすると、何か体の不調が隠れている可能性があります。なぜなら、爪は血行や栄養状態の影響を強く受ける部位だからです。たとえば、極端な栄養不足や貧血が進行すると、爪の生成自体に異常をきたし、爪半月の形や大きさに変化が見られることがあります。

特に、全身のむくみや倦怠感を伴う場合は、肝臓や腎臓の病気なども疑われることがあります。実際に、ネフローゼ症候群や甲状腺機能異常などで爪半月が変化した例も報告されています。とはいえ、多くのケースでは加齢や甘皮の被さりによる見えにくさが原因です。急な変化や他の体調不良を感じたときは、医師の診察を受けるとよいでしょう。

爪の白い部分が増える 主な病気と治療法

爪が白く変色してきたら、見た目の問題だけでなく体の内部からのサインかもしれません。特に、爪全体や部分的に白くなる変化は、いくつかの皮膚疾患や内臓疾患に起因することがあります。ここではよく見られる3つの病気と爪の症状を紹介します。

爪甲剥離

爪甲剥離とは、爪の先端または側面が皮膚(爪床)から剥がれて浮いてしまう状態を指します。この状態になると、剥がれた部分の爪が白く見えるのが特徴です。原因としては、頻繁な水仕事やマニキュア、化学物質による刺激、さらにカビの一種であるカンジダの感染も関与しています。

実際に、女性に多く見られる疾患で、特に乾燥肌や敏感肌の人に発症しやすい傾向があります。放置すると剥離が進行し、見た目の問題だけでなく、感染症のリスクも高まります。軽症であればセルフケアでも改善が期待できますが、悪化する前に皮膚科を受診するのが安心でしょう。

爪乾癬

乾癬は皮膚だけでなく、爪にも症状を引き起こす病気です。爪乾癬では、爪の表面に点状の凹み(ピッティング)や白濁、爪の下にたまる角質のせいで浮き上がって見えるなど、さまざまな異常が見られます。進行すると、爪が厚く硬くなったり、変形することもあります。

日本では比較的少ない疾患ですが、慢性疾患であるため、症状が現れると長期間にわたる治療が必要です。乾癬は自己免疫に関わる病気のため、体の他の部位にも皮疹や炎症が見られることがあります。皮膚と爪の異常が同時に出ている場合は、早期の診断が鍵となります。

スプーン爪

スプーン爪は、爪が中央から反り返り、スプーンのような形状になる症状で、鉄欠乏性貧血と深い関係があります。鉄が不足すると爪の成分であるケラチンの生成に支障が出て、薄くもろくなった爪が反り返るのです。特に女性や偏食傾向のある人、長期間の月経過多に悩む人に多く見られます。

初期には爪の色が白っぽくなったり、縦の筋が目立つなどの変化があり、それが悪化するとスプーン状になります。貧血の他にも、甲状腺の病気や過度の洗剤使用も原因になり得るため、生活習慣や体調の見直しが必要です。治療には食事療法や鉄剤の服用が効果的です。

各症状の治療法と対策

上記で紹介した各症状の治療法と対策をまとめてみました。

症状名 主な治療法・対策 備考
爪甲剥離 ・原因の除去(ネイル・除光液中止)

・爪の保護(乾燥・刺激から守る)

・抗真菌薬/抗生物質(感染時)

・手袋の使用(手が水に触れる仕事)

・ビオチンなどの栄養補助食品

・重症時は皮膚科での治療を推奨
爪乾癬 ・ステロイド外用薬/ビタミンD3製剤

・内服薬(症状が重い・関節炎がある場合)

・保湿やストレス管理

・効果が出るまでに数ヶ月かかるケースあり
スプーン爪 ・血液検査による鉄欠乏の確認

・鉄剤の内服

・鉄分の多い食品摂取(レバー、ほうれん草、大豆など)

・ネイルケア・保護

・軽症なら食生活の改善で改善可能

・重症時は専門治療が必要

健康的な爪を維持させるためのケア習慣

日々のちょっとした習慣が、爪の美しさと健康を左右します。気をつけるべきポイントは以下の通りです。

【健康的な爪を維持させるためのケア】

ケアの種類 気をつけるポイント
外側のケア ・過剰な力をかけない

・乾燥を防ぐために保湿を行う

内側のケア ・バランスの良い食事を心がける

・亜鉛、鉄、ビタミンB群を意識して摂取する

まとめ

爪の白い変化は、見た目の問題にとどまらず、体の内側からのSOSである可能性もあります。爪甲剥離・爪乾癬・スプーン爪など、見過ごされがちな症状も、早期に気づいて正しい対処を行えば、健康を取り戻す助けになります。

日々の習慣でも爪の健康は維持できます。外からのダメージを減らし、内側から栄養を補うことが大切です。「おかしいな」と思ったら自己判断せず、早めに皮膚科などの専門医を受診するようにしましょう。

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