総コレステロールの基準値は?年齢別の正常範囲と数値を下げる方法
総コレステロール値の重要性
総コレステロール値は、心血管疾患のリスクを評価する上で非常に重要な指標です。
コレステロールは体内で重要な役割を果たしていますが、過剰に増えると動脈硬化を引き起こす可能性があります。高コレステロール血症のリスクを理解し、適切な管理を行うことが大切です。
コレステロールの役割
コレステロールは、細胞膜の構成成分であり、ホルモンやビタミンDの原料にもなる必要不可欠な物質です。適度な量のコレステロールは体の機能を維持するために重要ですが、過剰になると健康上の問題を引き起こす可能性があります。
コレステロールには、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)とHDLコレステロール(善玉コレステロール)があり、それぞれが体内で異なる役割を果たしています。
高コレステロール血症のリスク
高コレステロール血症は、動脈硬化を促進し、心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患のリスクを高めます。
LDLコレステロールが高い状態が続くと、動脈壁にコレステロールが蓄積し、プラークを形成します。このプラークが破裂すると血栓ができ、血管が詰まって重篤な合併症を引き起こす可能性があります。
高コレステロール血症は自覚症状がないことが多いため、定期的な検査を受けて早期発見・早期治療に努めましょう。
総コレステロールの基準値
総コレステロールの基準値は、日本臨床検査標準協議会によると142~248mg/dLとされています。
この基準値を基に、自分の総コレステロール値が適正かどうかを判断し、必要に応じて生活習慣の改善や医療機関での治療を検討することができます。
年齢別の正常範囲
総コレステロールの正常範囲は、年齢や性別によって異なります。以下に年齢別の基準値を示します。
年齢 | 総コレステロールの正常範囲 (mg/dL) |
---|---|
20-29歳 | 170-200 |
30-39歳 | 180-210 |
40-49歳 | 190-220 |
50-59歳 | 200-240 |
60-69歳 | 210-250 |
70歳以上 | 220-260 |
ただし、この基準値はあくまでも目安であり、個人差があることを理解しておく必要があります。また、総コレステロール値だけでなく、LDLコレステロールやHDLコレステロールの値も考慮しましょう。
高コレステロール血症の判定
高コレステロール血症の判定には、総コレステロール値だけでなく、LDLコレステロールとHDLコレステロールの値も総合的に評価する必要があります。
それぞれの数値に対応することで、心血管疾患のリスクをより正確に把握することができます。
総コレステロール値だけでは不十分
総コレステロール値が高くても、HDLコレステロールが高ければ心血管疾患のリスクは低くなると言われています。逆に、総コレステロール値が正常でも、LDLコレステロールが高ければリスクが高くなりかねません。
したがって、総コレステロール値だけで判断するのは不十分であり、LDLコレステロールとHDLコレステロールの値を個別に評価することが重要です。
LDLコレステロールとHDLコレステロールの重要性
LDLコレステロールは動脈硬化を促進する悪玉コレステロール、HDLコレステロールは動脈硬化を予防する善玉コレステロールと呼ばれています。
LDLコレステロールが高い状態が続くと、動脈壁にコレステロールが蓄積し、動脈硬化が進行します。
一方、HDLコレステロールは余剰なコレステロールを肝臓に運び、動脈硬化を防ぐ働きがあります。高コレステロール血症の判定や治療方針の決定には、これらの値を総合的に評価することが不可欠です。
基準値は検査を実施する医療機関などにより目安値が異なりますが以下はLDLとHDLのそれぞれの基準値となります。
LDLコレステロールの基準値
基準値 | 60~119mg/dL |
---|---|
要注意 | 120~179mg/dL、または59mg/dL以下 |
異常値 | 180mg/dL以上 |
HDLコレステロールの基準値
基準値 | 40mg/dL以上 |
---|---|
要注意 | 35~39mg/dL |
異常値 | 34mg/dL以下 |
高コレステロール血症の改善法
高コレステロール血症と診断された場合、生活習慣の見直しが必要です。
医療機関を受診しながら、食事療法と運動療法を中心にコレステロール値を改善していくことが大切です。
生活習慣の見直し
高コレステロール血症の改善には、生活習慣の見直しが欠かせません。喫煙や過度の飲酒は控え、適度に運動を行いましょう。
また、ストレスをためすぎないように、十分な休養をとることも大切です。生活リズムを整え、バランスのとれた生活を送ることが、コレステロール値の改善につながるでしょう。
食事療法のポイント
食事では、コレステロールや飽和脂肪酸の摂取を控えましょう。特に動物性脂肪の多い肉類や卵、乳製品などは控えめにし、青魚や野菜、果物、大豆製品などを積極的に取り入れるようにしましょう。
食物繊維の摂取を増やすことも、コレステロール値の改善に効果的と言われています。なるべく外食や加工食品に頼りすぎず、自炊を心がけることも大切です。
運動療法の効果
運動療法は、HDLコレステロールを増加させ、LDLコレステロールを減少させる効果があります。1日30分程度の有酸素運動を週に3回以上行うことが理想的とされています。
ウォーキングやジョギング、水泳などの全身運動が おすすめです。ただし無理のない範囲で、行いましょう
まとめ
総コレステロール値は、心血管疾患のリスクを評価する上で重要な指標です。高コレステロール血症と診断された場合は、生活習慣の見直しを行いましょう。
食事療法と運動療法を中心に、コレステロール値を改善していくことが大切です。また、定期的な検査を受けて自分のコレステロール値を把握し、必要に応じて医療機関で治療を受けましょう。
高コレステロール血症の予防と管理には、日々の生活習慣が大きく影響します。バランスのとれた食事と適度な運動を心がけてください。