まぶたのたるみの原因は?自分でできるケアと治療法を解説

目次

加齢だけでなく、生活習慣やメイクの影響など、まぶたのたるみは誰にでも起こりうる変化です。見た目の印象だけでなく、視界の狭まりや目の開きづらさといった身体の機能面にも影響することがあります。

この記事では、まぶたのたるみの原因からセルフケア、さらには美容医療の選択肢まで、包括的に解説します。まずはご自身の状態をチェックし、無理のない対策から始めましょう。

◯本記事でわかること

・加齢や生活習慣、眼瞼下垂など、たるみの主な原因の分類と解説<

・エクササイズ・マッサージなどのセルフケア方法と注意点

・糸リフト・HIFU・注入治療など、切らない美容医療の選択肢

・上眼瞼リフト・眉下切開・下眼瞼脱脂術など、切開を伴う治療法の特徴

・上まぶた・下まぶたそれぞれの部位別アプローチと注意点

・クリニック選びで後悔しないためのチェックポイント

正しい知識とケアの積み重ねで、若々しい印象は十分取り戻せます。

なぜ?まぶたがたるむ主な原因

この章のまとめ!まぶたのたるみは、加齢による自然な変化や日々の生活習慣が大きく関わる。原因を知ることで効果的な対策が見えてくる。

まぶたがたるむ背景には、様々な要因が考えられます。主な原因を理解し、ご自身の生活と照らし合わせてみましょう。

避けて通れない「加齢」:皮膚の弾力低下と支える筋肉の衰え

加齢は、まぶたのたるみを引き起こす最も大きな要因の一つです。

年齢を重ねると、皮膚のハリを保つコラーゲンやエラスチンが減少し、皮膚自体の弾力が失われていきます。また、まぶたを開閉する眼輪筋やまぶたを引き上げる眼瞼挙筋といった筋肉も徐々に衰えてゆるんできます。これらの変化が複合的に作用し、まぶたが支えきれずに垂れ下がってくるのです。避けられない変化ですが、理解しておくことが大切です。

要注意!日常に潜む「生活習慣」:PCスマホ、メイク、コンタクトレンズ

日々の生活習慣も、まぶたのたるみに深く関わっています。特に注意したいのが、長時間のパソコンやスマートフォン使用です。まばたきの回数が減り、目を酷使することで、まぶたに負担がかかります。

また、アイメイクやクレンジング時にゴシゴシと強く擦る行為や、コンタクトレンズの不適切な着脱も、まぶたへの物理的な刺激となりたるみを助長します。紫外線による光老化も見逃せません。生活習慣の見直しが、たるみ予防につながります。

「眼瞼下垂(がんけんかすい)」:病気が隠れている可能性も

まぶたのたるみだと思っていた症状が、実は眼瞼下垂という病気であることもあります。眼瞼下垂は、まぶたを上げる筋肉(眼瞼挙筋)の働きが弱まり、まぶたが十分に開かなくなる状態を指します。先天性のものと、加齢や生活習慣によって後天的に発症するものがあります。

おでこにシワを寄せて物を見たり、顎を上げて物を見たりする癖がある時は、眼瞼下垂のサインかもしれません。単なるたるみと自己判断せず、専門医の診断を受けることが重要です。

☝️簗先生から一言アドバイス!

「まぶたのたるみは、加齢だけでなく、毎日のちょっとした習慣も影響します。例えば、目を擦る癖やアイメイクの落とし方など、意識することで予防につながることもあります。原因を理解し、早めのケアを心がけましょう。」

自分でできる!まぶたのたるみを改善・予防するセルフケア

この章のまとめ!日々のセルフケアは、まぶたのたるみ予防と初期段階の改善に役立つ。正しい方法で継続することが、若々しい目元を保つ鍵。

本格的な治療の前に、自分でできることから始めてみませんか。エクササイズや生活習慣の見直しで、たるみの進行を緩やかにしましょう。

まぶたのたるみにアプローチするエクササイズとマッサージ

まぶた周りの筋肉を鍛えるエクササイズや、血行を促進するマッサージは、たるみケアの一つとして有効です。眼輪筋を意識したトレーニングは、まぶたの引き締め効果が期待できるでしょう。

エクササイズ名 やり方 ポイント・注意点
眼輪筋トレーニング 目をギュッと閉じて5秒、パッと大きく見開いて5秒を繰り返す 眉間にシワが寄らないように意識する
ウインクエクササイズ 左右交互にゆっくりウインクする 目尻の皮膚を引っ張りすぎないように注意する

マッサージを行う際は、必ず専用のクリームやオイルを使用し、摩擦を避けて優しく行ってください。

ただし、誤った方法は逆効果になることもあるため、正しい知識を持って実践しましょう。継続することで、少しずつ変化を感じられるかもしれません。

今日から実践!たるみを進行させないための生活習慣

たるみを進行させないためには、日々の生活習慣を見直すことが非常に大切です。スキンケアでは、目元専用の保湿剤を使い、優しく丁寧にケアすることを心がけましょう。紫外線は肌老化の大きな原因なので、季節を問わず対策を徹底します。

また、PCやスマホ作業中はこまめに休憩を取り、意識的にまばたきを増やすことも有効です。質の高い睡眠とバランスの取れた食事も、健やかな肌を保つためには欠かせません。

☝️簗先生から一言アドバイス!

「「セルフケアでまぶたのたるみが改善するかについては、専門家の中でも意見が分かれています。保湿や血行促進のためのケアを行うことは、一定の効果はあるのではと考えています。マッサージは、力を入れすぎると逆効果。優しく、皮膚をいたわるように行いましょう」

美容医療という選択肢:まぶたのたるみを改善する治療法

この章のまとめ!セルフケアでは改善が難しいまぶたのたるみも、美容医療なら効果的なアプローチが可能。様々な治療法から自分に合ったものを選ぶ。

セルフケアで効果を感じにくい時や、より積極的な改善を望むなら、美容医療も選択肢の一つです。主な治療法について解説します。

メスを使わない「切らない治療法」:手軽さとダウンタイムの短さが魅力

美容医療の中でも、メスを使わない「切らない治療法」は、手軽さとダウンタイムの短さから人気があります。代表的なものに、たるみを引き上げる糸を挿入する糸リフトや、熱エネルギーで皮膚を引き締めるレーザー・高周波治療・HIFU(高密度焦点式超音波)などがあります。

また、ヒアルロン酸やボトックスなどの注入治療も、下まぶたのくぼみ改善などに用いられます。これらの治療は、本格的な手術に抵抗がある方や、忙しい方にとって魅力的な選択肢となるでしょう。

治療の詳細を以下にまとめました。

治療法 特徴 メリット デメリット・リスク ダウンタイム目安
糸リフト 医療用の糸で皮膚を引き上げる 即効性が期待できる、傷跡が小さい 効果の持続期間に限りがある、内出血や腫れの可能性 数日〜1週間
レーザー・高周波 熱エネルギーでコラーゲン生成を促し、皮膚を引き締める ダウンタイムが短い、肌質改善も期待できる 効果実感までに複数回の施術が必要なことがある、赤みや腫れの可能性 ほぼなし〜数日
注入治療 ヒアルロン酸などを注入し、くぼみや筋肉の動きを調整 ダウンタイムが短く、ピンポイントな改善が可能 効果の持続期間に限りがある、内出血や腫れの可能性 ほぼなし〜数日

根本改善を目指す「切開する治療法」:効果の持続性と確実性

より確実で長期的な効果を求めるなら、「切開する治療法」が適しています。たるんだ余分な皮膚を切除する上眼瞼リフトや、眉毛の下のラインで皮膚を切除する眉下切開は、上まぶたのたるみに効果的です。

下まぶたのたるみやクマには、下眼瞼たるみ取り(下眼瞼除皺術・脱脂術、ハムラ法など)があります。眼瞼下垂が原因の場合は、眼瞼下垂手術が行われます。これらの手術は、たるみの根本的な改善が期待でき、その効果も長く続くことが多いです。

【上まぶた・下まぶた】気になる部位別アプローチ

この章のまとめ!上まぶたと下まぶたでは、たるみの原因や効果的な対策が異なる。それぞれの特徴に合わせたケアや治療法を知ることが重要。

まぶたのたるみと一口に言っても、上と下では悩みのポイントが違います。それぞれの部位に特化したアプローチを見ていきましょう。

上まぶたのたるみ:原因・セルフケア・治療法

上まぶたのたるみは、目が重く見えたり、視界が悪くなったりする原因となります。主な原因として、皮膚自体のゆるみ、眼窩脂肪のボリューム変化、そしてまぶたを開ける筋肉(眼瞼挙筋)のゆるみが挙げられます。

セルフケアとしては、眼輪筋を鍛えるエクササイズや、まぶたに負担をかけない優しいスキンケアが基本です。美容医療では、二重のラインを形成する埋没法や、余分な皮膚を切除する上眼瞼リフト、眉下切開、眼瞼下垂手術などが効果的です。

下まぶたのたるみ・クマ:原因・セルフケア・治療法

下まぶたのたるみやクマは、疲れた印象や老けた印象を与えてしまいます。その原因は、眼窩脂肪の突出(目袋)、皮膚のゆるみ、眼輪筋の衰え、そしてクマの種類によっても異なります。

セルフケアでは、保湿を重視したスキンケアや、血行を促進する優しいマッサージが有効です。美容医療では、突出した脂肪を取り除く下眼瞼脱脂術や、脂肪を移動させてくぼみを改善するハムラ法、ヒアルロン酸注入、レーザー治療などが選択肢となります。

☝️簗先生から一言アドバイス!

「上まぶたのたるみは眠そうな印象に、下まぶたのたるみは疲れた印象につながりやすいです。それぞれ原因や適した治療法が異なるので、専門医に正しく診断してもらい、最適なケアを選びましょう。」

まぶたのたるみに関するよくある質問

まぶたのたるみについて、多くの方が抱える疑問や不安があります。ここでは、代表的な質問とその回答をご紹介します。

Q. まぶたのたるみは何歳くらいから気をつけるべきですか?

A.まぶたのたるみを感じ始める年齢には個人差がありますが、一般的には30代後半から意識し始める方が多いようです。主な原因である加齢による皮膚の弾力低下や筋力の衰えは、誰にでも起こり得ます。

そのため、早ければ20代後半からでも、予防的なスキンケアや生活習慣に気をつけることが推奨されます。若いうちからの意識が、将来のたるみを遅らせる鍵となります。

Q. セルフマッサージは本当に効果がありますか?やりすぎると悪化すると聞いたのですが…

セルフマッサージは、血行を促進し、むくみを軽減する効果が期待できます。しかし、方法を間違えたり、力を入れすぎたりすると、かえって皮膚に負担をかけ、たるみを悪化させるリスクがあります。

実践する際は、必ず滑りの良いクリームやオイルを使用し、指の腹で優しく行うことが鉄則です。効果を焦らず、あくまで補助的なケアとして、正しい方法で継続することが大切です。不安な方は専門家のアドバイスを受けましょう。

Q. アイプチやつけまつげを長年使っていると、たるみやすくなりますか?

アイプチやつけまつげの長期使用は、まぶたの皮膚に負担をかける可能性があります。特に、接着剤を剥がす際の物理的な刺激や、まぶたを引っ張る行為は、皮膚の伸縮を繰り返し、弾力低下を招くことがあります。

これがたるみの原因の一つになることも考えられます。使用する際は、まぶたに優しい製品を選び、オフする時は専用のリムーバーで丁寧に落とすなど、できるだけ負担をかけない工夫をしましょう。

Q. 「眼瞼下垂」と「まぶたのたるみ」は違うものですか?

「眼瞼下垂」とは、上まぶたのたるみや、まぶたを持ち上げる筋肉(眼瞼挙筋)の働きが弱くなることで、視野が制限される疾患です。頑張ってまぶたを上げようと努力することで頭痛や肩こりなどの随伴症状が引き起こされこともあります。

「まぶたのたるみ」は加齢のよる皮膚のゆるみや余剰の状態を表しています。「まぶたのたるみ」が原因で視野が制限されれば「眼瞼下垂」と診断されることもあります。眼瞼下垂はその状態や症状により、治療法も異なるため、自己判断せずに専門医の診断を受けることが重要です。正確な診断が適切な治療への第一歩です。

Q. 美容クリニックでの治療後、腫れや痛みはどのくらい続きますか?

治療後の腫れや痛みの期間は、選択する治療法や個人の体質によって大きく異なります。一般的に、レーザー治療や注入治療のような切らない治療はダウンタイムが短く、数日程度で落ち着くことが多いです。

一方、切開を伴う手術の場合は、1~2週間程度の腫れや内出血が見られることがあり、完全に落ち着くまでには数ヶ月かかることもあります。カウンセリング時に、具体的なダウンタイムについて詳しく確認しておくことが大切です。

Q. まぶたのたるみ治療に保険は適用されますか?

まぶたのたるみ治療が保険適用となるかは、その原因と目的によります。眼瞼下垂と診断され、日常生活に支障(視野が狭いなど)が出ていると医師が判断した治療は、保険適用となることがあります。

しかし、美容目的のたるみ改善治療(単なる見た目の改善など)は、原則として自由診療となり保険適用外です。まずは専門医に相談し、ご自身の状態と治療の必要性について診断してもらうことが先決です。

Q. 治療で失敗しないために、クリニック選びで一番大切なことは何ですか?

治療で後悔しないためには、信頼できる医師とクリニックを選ぶことが最も重要です。医師の経験や実績、専門性はもちろんのこと、カウンセリングで親身に話を聞いてくれるか、リスクやデメリットについても正直に説明してくれるかを確認しましょう。

また、複数のクリニックでカウンセリングを受け、比較検討することも有効です。ご自身が納得し、安心して任せられると感じるクリニックを選ぶことが、満足のいく結果への近道です。

Q. 男性でもまぶたのたるみで悩んでいます。治療を受けることはできますか?

もちろんです。まぶたのたるみは性別を問わず多くの方が抱える悩みであり、近年は男性も美容医療への関心が高まっています。男性特有の骨格や皮膚の厚さを考慮した治療法を提案してくれるクリニックもあります。

まずはカウンセリングでご自身の悩みを相談し、どのような治療法が適しているか、男性の症例実績なども含めて確認してみると良いでしょう。男性も気兼ねなく相談できる環境が整ってきています。

Q. 上まぶたと下まぶた、どちらのたるみ治療を優先すべきですか?

上まぶたと下まぶたのどちらの治療を優先するかは、ご自身の悩みの深さや、どちらの症状がより気になっているかによります。また、たるみの進行度合いや、医師の診断によっても優先順位が変わることがあります。

例えば、上まぶたのたるみが視野に影響しているようなら、そちらを優先することもあります。まずは専門医に両方の状態を診てもらい、全体的なバランスや効果を考慮して、最適な治療計画を相談するのが良いでしょう。

☝️簗先生から一言アドバイス!

「疑問や不安は、手術を担当する医師に詳しく質問してください。信頼できる医師であれば、きちんと疑問点を説明してくれると思います。小さな不安も解消しておくことが、安心して治療に進むための第一歩です。納得いくまで話し合い、信頼関係を築くことが大切ですよ。」

まとめ:まぶたのたるみは改善できる!前向きな一歩で若々しい目元へ

この記事では、まぶたのたるみの原因からセルフケア、そして美容医療に至るまで、幅広く解説してきました。たるみの主な原因は加齢による皮膚の弾力低下や筋力の衰え、そして日々の生活習慣です。まずはセルフチェックでご自身の状態を把握し、予防や初期段階のケアとしてエクササイズや生活習慣の見直しを実践してみましょう。

しかし、セルフケアだけでは改善が難しいこともあります。そのような時は、美容医療が有効な選択肢となります。切らない手軽な治療から、根本的な改善を目指す切開手術まで、様々な方法があります。大切なのは、ご自身の状態や希望に合った治療法を、信頼できる医師と相談して選ぶことです。

この記事が、あなたが前向きな一歩を踏み出すためのお役に立てれば幸いです。一人で悩まず、まずは専門医に相談することから始めてみてください。

簗 由一郎 先生
医師簗 由一郎

高知大学医学部を卒業後、東京大学形成外科教室にて研鑽を積む。
専門は形成外科領域全般に加え、眼瞼下垂、目の下のたるみ(クマ)、巻き爪・陥入爪、リンパ浮腫治療。現在は埼玉医科大学病院をはじめ、東京・埼玉・茨城の複数医療機関にて診療を行うかたわら、サイト運営を通じて専門的かつ信頼性の高い医療情報の発信にも尽力している。

巻き爪・陥入爪治療の相談室
まぶた・目の下のたるみのお悩み相談室

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