耳の後ろの頭痛は後頭神経痛?考えられる原因や対策を解説

耳の後ろが突然痛む場合、後頭神経痛が一因となるケースがあります。ただし、同じ部位の痛みでも緊張型頭痛や片頭痛、感染症、口腔内のトラブルなど、ほかの疾患が関係することも珍しくありません。
耳の後ろの痛みは原因が幅広く、生活習慣や姿勢の影響を受ける場合もあれば、医療機関での評価が必要となる場合もあるため、注意が必要です。本記事では、後頭神経痛の特徴や考えられる原因、日常生活で心掛けたい対策に加え、間違われやすい頭痛や頭痛以外の疾患についても解説します。
耳の後ろが痛む後頭神経痛とは
耳の後ろに走る鋭い痛みの背景として、後頭神経痛が関係することがあります。後頭神経痛とは、大後頭神経や小後頭神経などの後頭部の神経が刺激を受けると、後頭部から耳の後ろにかけて特徴的な痛みが生じる疾患です。ここでは、後頭神経痛について、以下のポイントから解説します。
- 後頭神経痛の症状
- 検査・診断
それぞれについて、見ていきましょう。
後頭神経痛の症状
後頭神経痛では、首のつけ根から後頭部、さらに耳の後ろへ向けて鋭い痛みが走ることがあります。「ズキン」「ビリッ」と突き抜けるような痛みが短く反復する点は、この疾患にみられる特徴のひとつといえるでしょう。
痛む部分に触れると圧痛がみられることもあり、ブラッシングや枕の接触によって痛みが誘発される例も少なくありません。日常生活の中で痛みが生じやすい場面を把握しておくと、症状の傾向をつかみやすくなるでしょう。
また、ピリピリする違和感や過敏な感覚を伴うケースも報告されており、症状の現れ方には個人差があると考えられています。
検査・診断
診断では、まず問診と身体診察によって痛みの性質や出現部位を詳しく確認します。後頭神経の走行部に圧痛点があるかどうかを触診で確かめることが評価の軸になるでしょう。
必要に応じて、CTやMRIなどを用いて脳や頸椎に異常がないかを調べ、くも膜下出血や腫瘍など他の疾患を除外したうえで総合的に判断される流れが一般的です。
後頭神経痛の原因
後頭神経痛は、後頭部を走る神経が圧迫や刺激を受けることで生じると考えられています。痛みの背景には生活習慣や姿勢の影響が関わることが多く、複数の要因が組み合わさって症状につながる場合も少なくありません。主な原因としては、以下が挙げられます。
- 長時間のPC・スマートフォン操作
- ストレス
- 首や肩のこり
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
長時間のPC・スマートフォン操作
パソコン作業やスマートフォンの使用でうつむく姿勢が続くと、首まわりの筋肉が緊張しやすくなります。こうした「不良姿勢」は大後頭神経などを圧迫する要因となり、後頭神経痛につながる可能性が否定できません。
ストレートネックやいわゆる「スマホ首」の状態が習慣的に続くと、後頭部の負担が高まりやすくなるという指摘もあります。デスクワークが長時間に及ぶ方や、スマートフォンを低い位置で扱う癖がある方では、こうした影響を受けやすいでしょう。
ストレス
精神的ストレスがかかると、首や肩の筋肉が緊張しやすくなります。筋緊張が高まることで後頭神経への負担が増え、痛みの誘因になることがあるため注意が必要です。
さらに、疲労や天候の変化が重なると症状が出やすくなることも指摘されており、ストレスは後頭神経痛と関連する要素のひとつといえるでしょう。
首や肩のこり
首や肩のこりが強い状態では、首の筋肉の間を通る大後頭神経が圧迫されやすくなるとされています。同じ姿勢を長時間続ける習慣がある方では、こうした影響を受けやすい傾向が否定できません。
慢性的な首こりがある場合、後頭部の筋肉がさらに硬くなり、痛みにつながるおそれもあります。
後頭神経痛のために心がけたい対策
後頭神経痛は、日常の姿勢や筋緊張の影響を受けることが多いと考えられています。生活の中で取り入れやすい工夫を続けることで、後頭部への負担が軽くなる場合もあるため、以下のような実践しやすい対策を把握しておくと良いでしょう。
- ストレッチを取り入れる
- こまめなストレス解消を心がける
- デスクワーク環境を見直す
- スマートフォン使用時は姿勢に気をつける
それぞれのポイントを、順に解説します。
ストレッチを取り入れる
首や肩まわりの緊張をほぐすために、軽いストレッチを行う方法があります。ゆっくりと筋肉を動かすことで血流が保たれ、後頭部の負担を和らげるきっかけになるでしょう。
ただし、痛みが強いときや持病がある場合は、無理に動かさないほうが賢明といえます。必要に応じて、専門職の助言を得ながら取り組むことが望ましいでしょう。
こまめなストレス解消を心がける
精神的な負荷は筋緊張を高める方向に働くケースがあり、後頭部の痛みの誘因になる場合があります。休息を意識的に取り入れたり、趣味やリラクゼーションの時間を確保したりすることで、心身の緊張が和らぐこともあるでしょう。
ストレスと痛みの関係性には個人差があるため、自身の状態に合う方法を無理なく続けることが大切といえます。
デスクワーク環境を見直す
長時間のデスクワークでは、モニターの高さが合わない状態が続くと、首が前へ傾きやすい姿勢になるとされています。視線が大きく下がった姿勢が続くと首まわりの筋肉が緊張し、後頭部の負担が高まることもあるでしょう。
ノートパソコンを低い位置で扱う環境では、姿勢が乱れやすい傾向もあります。スタンドや外付けモニターを利用し、頭部が前へ出すぎない姿勢を保ちやすくする工夫を取り入れてみましょう。
スマートフォン使用時は姿勢に気をつける
長時間うつむいてスマートフォンを操作する姿勢は、首まわりの筋肉に負担を与えやすいとされています。視線が大きく下がる姿勢が続くと首の前側に重さがかかり、後頭部の緊張が高まりやすい状況が生じるでしょう。
極端にうつむかないよう、卓上用スマートフォンスタンドやフレキシブルアームホルダーを活用するなど、画面を目線の高さへ近づけるよう意識することが大切です。また、長時間スマートフォンの画面を見続けず、一定時間ごとに休憩を入れて軽く首や肩を動かす習慣を取り入れるのも負担の蓄積を抑えるうえで有効かもしれません。
後頭神経痛と間違われやすい頭痛
耳の後ろに起こる痛みは、後頭神経痛に特徴的とされることがありますが、ほかのタイプの頭痛でも似た症状がみられる場合があります。特に以下の3つは、後頭神経痛の間違えられやすい頭痛として知られている頭痛です。
- 緊張型頭痛
- 片頭痛
- 風邪症候群による頭痛
それぞれの頭痛の特徴について、紹介します。
緊張型頭痛
緊張型頭痛は、頭全体を締めつけられるような重い痛みが特徴で、首や肩の筋緊張と関連することが多いと考えられています。後頭部から側頭部にかけて鈍い痛みが広がり、デスクワークが続いた日や疲労が蓄積している場面で生じることもあるでしょう。
耳の後ろを含む後頭部に痛みが出る場合もありますが、神経痛のような鋭い痛みとは異なる現れ方をする傾向があります。
片頭痛
片頭痛は、こめかみ付近に脈打つような痛みが起こるとされ、光や音に敏感になる方もいるといわれています。首や後頭部に張りを感じ、その周囲に痛みが広がることがあり、耳の後ろが痛むように感じるケースもあるでしょう。
ただし、片頭痛は血管や神経の反応が複雑に関係していると考えられており、後頭神経痛とは痛みの性質が異なる点もあります。症状が続く場合は、背景に複数の要因が重なっている可能性も否定できません。
風邪症候群による頭痛
風邪やインフルエンザなどの感染症では、発熱や咽頭痛、全身倦怠感といった症状とあわせて頭痛がみられることもあります。発熱に伴う血管の拡張や、鼻づまりによる副鼻腔の圧迫が、頭部全体の鈍い痛みにつながるケースもあるでしょう。
炎症の広がり方によっては後頭部に重さを感じ、耳の後ろが痛むように思う可能性も否定できません。鼻水・咳・咽頭痛などの症状、そして感染症の流行状況を含めて評価することが大切です。
耳の後ろが痛いときに考えられる頭痛以外の疾患
耳の後ろに生じる痛みは、後頭神経痛以外の疾患が背景にある場合もあります。炎症や関節の不調、皮膚症状などが影響し、耳の周囲から後頭部にかけて痛みが広がることもあるため、耳の後ろに痛みを感じる可能性のある疾患を把握しておくといいでしょう。
耳の後ろが痛いときに考えられる疾患としては、以下のようなものがあります。
- 帯状疱疹
- リンパ節の腫れ
- 顎関節症
- 流行性耳下腺炎(おたふく風邪)
- 虫歯や親知らず
各疾患について、詳しく見ていきましょう。
帯状疱疹
帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスが神経の周囲で炎症を起こし、神経に沿って片側にピリピリした痛みが現れることがある疾患です。耳の周囲に症状が出る場合は「耳性帯状疱疹(ラムゼイ・ハント症候群)」と呼ばれ、耳の後ろの痛みや発疹に加えて、小さな水ぶくれが現れることがあるでしょう。
炎症が広がる部位によっては顔面神経麻痺や難聴がみられるケースも報告されており、皮膚症状と痛みが同じ側に出ているかを確認することが手がかりになるとされています。
耳周囲に発疹が見られる場合や痛みが強い場合には、早期の医療機関受診が重要です。
リンパ節の腫れ
耳の後ろに位置するリンパ節は、風邪や耳・頭皮の感染に伴って一時的に腫れや痛みが生じることがあります。腫れたリンパ節は押すと痛みが強まり、触れると小さなしこりのように感じられることも少なくありません。
通常は、原因となる炎症が落ち着くにつれて腫れも自然に引いていくことが多いとされます。
しかし、長期間腫れが続く場合や急に大きくなる場合、しこりが硬くて動かないように感じる場合には、別の病気が隠れている可能性も視野に入れ受診するのが望ましいでしょう。
顎関節症
顎関節症は、耳の前に位置する顎関節やその周囲の筋肉に負担がかかることで、顎の痛みや口の開けにくさ、関節がカクッと鳴るような音を生じる疾患です。これらの筋肉は側頭部から首にかけて広く分布しており、痛みが耳の前後や側頭部に広がることがあります。結果として、耳の後ろに鋭い痛みや重だるさを感じる場合もあるでしょう。
顎の動きに関連して症状が強まる特徴があり、食事中や大きく口を開けたときに痛みが増えるといった変化が手がかりになることがあります。
流行性耳下腺炎(おたふく風邪)
流行性耳下腺炎(おたふく風邪)は、ウイルス感染によって耳下腺や顎下腺が腫れ、顎の付け根から耳の下、耳の後ろにかけて強い圧痛が生じることがある感染症です。腫れによる張り感が広がり、耳の後ろがズキズキと痛んだり、食事や会話で顎を動かすと痛みが増したりするケースも見られます。
通常は自然に軽快していきますが、症状の経過を見守るだけでは判断が難しいこともあるため、腫れや痛み、発熱が続く場合には医療機関を受診するのが望ましいでしょう。
虫歯や親知らず
虫歯や親知らずの炎症が進むと、顎の骨や周囲の組織に痛みが広がり、耳の後ろに響くような痛みとして自覚されることがあります。特に親知らずが歯ぐきの奥で腫れている場合、顎の付け根から耳の周囲にかけて鈍い痛みが放散し、耳の後ろだけが痛んでいるように感じがちです。
咀嚼時に痛みが強くなる、冷たいものがしみる、歯ぐきが腫れているといった口腔内の症状が同時にみられる場合、耳の後ろの痛みは歯のトラブルに関連している可能性があります。
まとめ
耳の後ろの痛みは、後頭神経痛や感染症、片頭痛などさまざまな原因が考えられます。症状が気になる場合は、地域や診療科目から医院を検索できる「ベストチョイス」を参考にしてみてはいかがでしょうか。
複数の医院を手軽に比較できるため、受診先を考える際の手掛かりになるでしょう。
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