めまいと吐き気の原因は?対処法や受診目安を解説

めまいと吐き気が起こる原因は、耳の機能障害や脳の疾患、自律神経や血糖値の乱れ、ストレスなどが考えられます。
めまいと吐き気の症状が現れた場合、「原因や症状を和らげる方法は?」「すぐに病院を受診すべき?」など気になる方もいるのではないでしょうか。
本記事では、めまいと吐き気の原因や対処法、医療機関を受診する目安、症状を相談できる診療科について解説します。
めまい・吐き気の主な原因
めまいと吐き気が起こる主な原因として、耳の機能障害や脳の疾患、自律神経や血糖値の乱れ、ストレスなどが挙げられます。原因の具体例は、以下のとおりです。
- 良性発作性頭位めまい症
- メニエール病
- 前庭神経炎
- 自律神経失調症
- 血糖値の乱れ
- 更年期障害
- 脳腫瘍
- 脳出血
それぞれの原因について、詳しく見ていきましょう。
良性発作性頭位めまい症
めまい・吐き気の主な原因の1つ目は、良性発作性頭位めまい症です。「布団やベッドから起き上がる」「寝返りをうつ」などの動作で頭の位置を変えたときに、目の前がグルグル回転するようなめまいが現れる疾患で、吐き気や嘔吐の症状をともなう場合があります。
良性発作性頭位めまい症は、耳の奥にある前庭器官の「耳石」が三半規管内に入り込み、頭を動かしたときに異常な刺激を与えることによって起こるとされる疾患です。症状が現れた初日をピークに、2週間程度で改善していくケースが多いでしょう。
メニエール病
めまい・吐き気の主な原因の2つ目は、メニエール病です。
メニエール病は数分〜数時間程度の回転性のめまいを繰り返す疾患で、内耳のリンパ液が異常に増加する「内リンパ水腫」が原因と考えられています。
発作的なめまいや吐き気の症状とともに、耳鳴り・難聴・耳閉感(耳が詰まる感覚)といった聴覚障害が現れることもあるでしょう。
前庭神経炎
めまい・吐き気の主な原因の3つ目は、前庭神経炎です。
前庭神経炎は、突発的に強い回転性めまいと吐き気・嘔吐の症状が現れる疾患で、めまいの症状が非常に強烈な傾向があります。入院による治療が必要になることもあるでしょう。
発症前に風邪症状があるケースが多く、ウイルスが前庭神経を麻痺させることが疾患を引き起こす原因と考えられています。しかし現状では、詳しい原因は解明されていません。
自律神経失調症
めまい・吐き気の主な原因の4つ目は、自律神経失調症です。
自律神経が乱れると、めまい・ふらつきや吐き気のほか、動悸や耳鳴りなどさまざまな不調が現れることがあります。
自律神経失調症の主な原因は、ストレスや生活習慣の乱れです。たとえば強いストレスによって自律神経のバランスが崩れると、内耳や消化器系に影響が及び、めまいや吐き気につながる場合があります。
症状が軽度であれば、深呼吸をしたり水分を摂取したりすることで、一時的に不調が和らぐこともあるかもしれません。しかし、根本的な改善を目指すのであれば、ストレスを取り除き、生活習慣を改善するなどの対策が必要になるでしょう。
また自律神経失調症は、他の病気と似た症状が現れることがあります。たとえば、めまいや吐き気のほかに精神的なストレスによる長期的な食欲不振や気分の落ち込みなどが見られる場合、心療内科の受診やカウンセリングの利用を検討するとよいでしょう。
血糖値の乱れ
めまい・吐き気の主な原因の5つ目は、血糖値の乱れです。低血糖や血糖値の急な変化が、めまいや吐き気を引き起こすことがあります。
血糖値が急激に下がると、十分なエネルギーが脳へ行き渡りません。その結果、めまいや吐き気の症状につながることがあります。
無理な食事制限やダイエット、糖尿病治療に用いる薬剤量の調整などは血糖値の乱れを招くおそれがあるため、注意が必要です。
また、食生活の乱れなどで血糖値が急激に上下すると、自律神経の働きが乱れ、めまいや吐き気を引き起こすことがあります。
更年期障害
めまい・吐き気の主な原因の6つ目は、更年期障害です。
更年期には、血管の働きに関わる女性ホルモン(エストロゲン)が急激に減少することで血管の収縮・拡張の調整が乱れ、ほてりや頭痛などの不調が生じやすくなります。
このような変化による「血管運動神経症状」が自律神経のゆらぎを招き、血管や神経の働きに影響するため、めまいや吐き気につながるケースがあるでしょう。
なお、更年期障害は女性に限った疾患ではありません。ストレスや加齢などにより血液中の男性ホルモン(テストステロン)が減少すると、ほてりやめまいといった男性更年期障害(LOH症候群)の症状が現れる可能性があります。
脳腫瘍
めまい・吐き気の主な原因の7つ目は、脳腫瘍です。
脳腫瘍とは、頭蓋骨の中にできる腫瘍を指します。腫瘍が脳を圧迫したり、周囲の神経に影響を与えたりすることで現れやすい症状は、以下のとおりです。
- 頭痛
- 吐き気・嘔吐
- めまい
- 手足のしびれ
- 視野の欠損
立てないほどの強いめまいや、激しい頭痛をともなう吐き気・嘔吐のほか、神経系の症状が併発することもあります。
脳腫瘍を放置すると、腫瘍の進行によって神経障害が悪化するおそれがあるため、注意が必要です。違和感を覚えたら速やかに医療機関を受診し、早期発見・治療につなげましょう。
脳出血
めまい・吐き気の主な原因の8つ目は、脳出血です。
脳出血は、脳の血管が破れて脳内に出血が生じる疾患で、以下のような症状が現れることがあります。
- 突然の頭痛が急激にひどくなり、吐き気や嘔吐の症状が現れる
- めまいやふらつきが起こる
- 片方の手足が動かしにくい・感覚がない・しびれる
- 言葉が話せない・理解できない
重症化すると意識障害や呼吸障害につながるおそれがあるため、速やかに医療機関を受診してください。
めまい・吐き気の対処法
めまい・吐き気を感じた際の主な対処法は、以下のとおりです。
- 横になって休む
- 市販薬(酔い止めなど)を活用する
- 光や音を遮断する
- 医療機関を受診する
それぞれ詳しく解説します。
横になって休む
めまい・吐き気の対処法のひとつは、横になって休むことです。転倒のリスクを避けるためにも無理に動かず、症状が落ち着くまで布団やベッドに横になり、安静にしましょう。
身体を休める際は、「血流の変動を抑えるために、頭の位置を低くする」「吐瀉物が気管に入らないよう、顔を横に向けておく」ことがポイントです。
ただし、安静にする対処法がすべてのケースで有効なわけではありません。たとえば良性発作性頭位めまい症の場合、頭を適切に動かすことで耳石の位置を整える治療が行われる場合もあります。
また、しばらく安静にしても改善しない場合や、症状が強いと感じる場合は、早めに受診を検討することが大切です。
市販薬(酔い止めなど)を活用する
市販薬を活用することも、めまいや吐き気の対処法のひとつです。
たとえば乗り物酔いと似た仕組みで起こるめまいや吐き気の場合、市販の酔い止め薬が一時的に症状を和らげることがあります。
ただし、原因によっては市販薬が適さない場合もあるため、注意が必要です。持病がある方や他の薬を使用中の方は特に、市販薬を使用する前に医師や薬剤師に相談することが望ましいでしょう。
また酔い止め薬によっては、眠気などの副作用が生じる可能性もあります。用法・用量を守り、服用後は乗り物の運転など危険をともなう作業を控えましょう。
光や音を遮断する
光や音を遮断する対処法もあります。外部からの光や音などの刺激が、めまいや吐き気の症状を悪化させる場合があるためです。
できる限り刺激の少ない、落ち着ける環境で身体を休めることを意識するとよいでしょう。具体的な方法は、以下のとおりです。
- カーテンを閉めて部屋を暗くする
- 目を閉じて休む
- アイマスクを装着する
- テレビや音楽を消す
医療機関を受診する
症状が強い場合や長引く場合、自己判断は避け、医療機関の受診を検討しましょう。
めまいや吐き気の症状は休息によって落ち着くことがある一方、早期発見・治療が必要な疾患が原因である可能性もあります。
また、めまいや吐き気の原因がひとつとは限りません。自己判断では見分けが難しく、適切な対応が遅れる可能性も考えられます。必要に応じて医師に相談しましょう。
なお、症状の経過や頻度を記録しておくと、診察時、医師に状況を説明しやすくなります。
めまい・吐き気で医療機関を受診すべき目安
「めまい・吐き気があるものの、病院を受診すべきかどうかわからない」と、受診のタイミングに迷うケースもあるかもしれません。
めまいや吐き気で医療機関を受診する目安として、次のような状況が挙げられます。
- めまいや吐き気が数日以上続いている
- 症状が以前より強くなってきている
- 突然の強い頭痛、意識がもうろうとする、うまく話せない、手足のしびれなどの神経症状をともなう
- めまいとともに、動悸・息切れや胸の不快感がある
- 耳鳴り・難聴・耳の閉塞感などが続いている
めまい・吐き気の症状を相談できる診療科
めまい・吐き気の症状を相談できる主な診療科は、内科、耳鼻咽喉科、神経内科、脳神経外科、循環器内科などが挙げられます。
症状の特徴に応じた受診先の目安は、以下のとおりです。
| 症状の特徴 | 受診先の目安となる診療科 |
|---|---|
| めまいや吐き気の原因がはっきりしない | 内科 |
| 耳の異常や回転性のめまいが見られる | 耳鼻咽喉科 |
| 頭痛・手足のしびれ・ろれつが回らないなどの症状が見られる | 神経内科・脳神経外科 |
| 動悸や胸の不快感がある | 循環器内科 |
| 血糖値の異常が疑われる | 内科・糖尿病内科 |
| 更年期が疑われる | 婦人科 |
| ストレスや睡眠不足 | 心療内科・精神科 |
| 急激なめまいや強い吐き気で動けない、意識が遠のくなど急を要する | 救急外来(救急科) |
めまいや吐き気の原因の特定が難しい場合、まずは内科で相談してみるとよいでしょう。
まとめ
めまいと吐き気を引き起こす原因は、メニエール病・前庭神経炎といった耳の機能障害や、脳腫瘍・脳出血といった脳の疾患、自律神経や血糖値の乱れ、ストレス、更年期障害など多岐にわたります。
自己判断では、めまいや吐き気の原因の特定が難しいケースもあるでしょう。場合によっては、重大な疾患が潜んでいることもあるかもしれません。特に症状が強い場合や長引く場合は、医師による適切な診断・治療を受けることが重要です。
以下のページでは、めまい・吐き気の症状を相談できるクリニックを紹介しています。医療機関の受診を検討している方は、ぜひチェックしてみてください。
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